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姉の秀子さんに促されお礼を述べる袴田巌さん(左)=2024年9月29日午後1時53分、静岡市葵区、本間久志撮影

 1966年に起きた静岡県一家4人殺害事件の再審(やり直し裁判)で無罪となった袴田巌さん(89)の弁護団は18日、県警や検察(国)に冤罪(えんざい)の責任を問う国家賠償請求訴訟で、請求額を約6億円とする方針を明らかにした。弁護団は裁判所も提訴することを検討しているという。

 弁護団によると、訴訟は国家賠償法にもとづくもので、昨年に再審で無罪判決が言い渡された日に合わせて、今年9月26日に静岡地裁に起こす予定だ。再審事件の国賠訴訟の請求額では過去最高額になるとみられる。請求額は、再審前の裁判で死刑判決を受けた袴田さんが長年、死刑が執行される恐怖にさらされ続け、現在も拘禁症状によって意思疎通が難しいことなども踏まえて算出した。

 裁判所も提訴するかどうかについては弁護団で現在、議論している。裁判所を提訴することが法的に可能かどうかを含め検討しているという。

 弁護団は再審無罪をめぐって…

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